2019-01-01から1年間の記事一覧

書くことの(不)可能性—あるいは、走り切った三年半の続き

部活の引退の日には、消える人間が後輩たちに向けてスピーチを行う時間がある。話す内容だけでなく、それを話す者の人柄まで含めて、様々な思いが胸に去来すること必至のお時間である。各々が自らの部活人生を振り返り、限られた時間と限られた言葉で何かを…

私的Vaporwave

愛というものははじめから存在するものではなくそれ自体を探していくことを指すのだ、と誰かが言った。同様に、美しさというものもまた、それを創り上げていく過程にその本質があるように思う。このように定義すれば、「愛」の喪失は、あるいは「美しさ」の…

死んでたら目を覚まさないよ

最近スキンケアを始めた。 ニキビが気になったからとか顔を良くしたいからという訳ではなく(いや顔は良くしたいけど)、10年後とかにボロボロになってるのを少しでも防ぎたいなあ、と思ったからである。普段「25までに何もなかったらもう終わってもいい」と…

曖昧な思い出と いつか見た郷愁は

車窓から街の風景を見て、これらを全て作るのにいくらかかるのだろうと考えることが多かった。建物一つにしても何百万だし、道路を作るにもお金がかかる。目に見えている分だけではなく、地球全体で同じようなことが起こっているのが怖かった。22を過ぎた今…

アンチ・オールカテゴライズ

「20層のミルクレープ」を一枚一枚丁寧に剥がし正しいかどうか数える高校同期の姿を見て感じ取ったことは、批判的であるということは全てを疑うということであり、全てを疑うということは孤独である、ということだった。 断片を見つけるとそれらを紡いで物語…

言葉とか飛び越えちゃって

愛のない人間だからか、他愛もない会話が本当に苦手で、反応に困ってしまうことが多い。別にそういう話を聞くのが嫌いという訳ではないしむしろ好きな方なのだけれど、いざ自分がそういう話をするイメージは到底湧かない。もちろん「セブンの新商品のシュー…

サイコグラム

土曜日に連れ2人と一緒に「恋愛IQカフェ」に行った。昔だったら行く気なんて更々起こらなかった企画だけれど、今年はなんとなく行ってみたいな、と思っていた。自分のことを知る実験として面白いかも、と思ったのも一因である。 概ね自分自身でそうだろうな…

仮面、信仰、4月

特にネット系のテーマを扱った作品において顕著だけれど、「仮面を被る」という言葉が使われる時には、概ね悪印象が付きまとう。「本当の自分」を相手に見せずに人付き合いをしていると解釈されるためである。ここで、「『本当の自分』なんて存在しないよね…

全員が納得する そんな答えなんかあるもんか

年初のブログで、「自分の枠組みを壊すことが必要で、そしてそんな人/ものを大事にするべきなのかもしれない」と書いた。そこから3ヶ月が経過した。確かに枠組みは破壊された。しかもそれは、自分が思っても、また望んでもいなかったような形で。家族の変化…

信じていれば 手のひらは返る

小学校低学年の頃の音楽の授業で歌わされたのは、合唱曲の定番ともいえる「Believe」だった。素直に良い曲だと思うし、あれにケチをつける人間がいたとすれば、その相当な尖りっぷりに、近づいたものは皆ケガしてしまうに違いないと思われるほどだ。けれども…

君も悪い人でよかった

「卒婚」という言葉が嫌いである。どうやら2004年に初出の言葉らしい。有名人が記者会見で使っている印象の「卒婚」だけど、どうしても違和感が拭えない。一応、原義としては、「婚姻状態にある夫婦が互いに干渉することなく個々の人生を歩んでいくという生…

今日も人生していきます

好きなものがあるって、幸せなことじゃないですか? 少なくとも生きていくレベルにおいては。けれども、小さい頃から取り立てて好きだと言えるものは多くなくて、むしろ嫌いなものの方が多かった。それも、完全な偏見で。梅干とか納豆とかは大学を卒業しよう…

免罪符

世界を襲ってきた謎の生命体Xから人々を守るため、自分のみに操縦が可能なモビルスーツを身にまとい戦闘区域に出て行ったものの不慮の事故で民間人の不必要な犠牲を出してしまったヒーローが人々に詰め寄られているが、「悪気はなかった」の一点張りだ。 結…

最近の生活について——ならびに「リアル」「リアリティ」

つい6日前のこと。タクシーに乗っていると、ドライバーが突然話し掛けてきた。 「お客さん、ギャンブルとかやるんですか?」 人間は、ある程度状況を予想して動くことが出来る。そして逆に、予想していない状況が襲ってきた時、冷凍保存されていた脳味噌が解…

ゲームブック

Wikipediaランダムテーマブログ執筆大会 第1回テーマ「センチメンタルサマー」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%83%9E%E3%83%BC 1 自分の対義語を見つけるとしたら、これほど…

主体性と客体性のはざまで

予習文献には既に目を通していて、指摘すべきポイントにおおむね検討はつけている。休み時間を使って言うべき言葉は整理した。あとはそれに沿って口を開くだけでよい。しかしそこで、ある疑問が頭に浮かぶ。自分が考えたことなんて、他の人はみんな既に考え…

ブログの書き方 ~実践編~

少し暇になったし、何か書きたい。でも何について書こう。最近みたいに単語からの連想で書くのも良いんだけど、そろそろテーマから書き始めようか。何かいいテーマがないかな。そういえばブログを始めた理由って、何だったっけ。自分の言いたいことを誰かに…

ブログの書き方 ~理論編~

何でも良い。「言いたいこと」を頭に浮かべる。なんらかの社会的な主張やぼんやりしたテーマでも良いし、自分が感じている足の裏の米粒のような違和感でも良い。私はあれが好き、私はあれが嫌いといった具体的な趣味嗜好から始めるのは比較的やりやすい。も…

ソーセージの神様

父親は厳しく頑固だったし、何よりこだわりが強かった。何もかもが自分の思い通りにならないと機嫌を悪くしていた。年末に病気に倒れた際にも、廊下に設置された手すりをあと2cm高くしろと騒いでいたらしい。ぼくが人の気持ちに敏感でいることが出来ないのは…

身ごとどっかに 吹き飛んでしまったって

小さな自分にとって、職員室のドアはあまりにも高くそびえ立つ絶壁だった。自分が知らない先生たちがうようよする大人の世界は確かに魅力的だったかもしれないけれど、知らない場所に飛び込むのは余りある勇気が必要だ。そういうわけで、職員室に入らなけれ…